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「家族 」 の記事一覧
2006.09.05 Tue
母子関係・父子関係
引用
出典:米で代理出産、出生届…「不受理」最高裁確定ー2005年11月25日 読売新聞
米国での代理出産で生まれた双子の出生届が、日本で受理されなかったのは不当だとして、関西地方在住の日本人夫婦が不受理処分の取り消しを求めた家事審判で、最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は24日、夫婦側の請求を退けた大阪高裁決定を支持し、特別抗告を棄却する決定をした。
以上読売新聞より引用


引用
出典:死後生殖、父子と認めずー2006年9月5日 読売新聞
凍結保存していた亡夫の精子で体外受精し、男児(5)を出産した西日本の40歳代の女性とその男児が、亡夫の子としての認知を国に求めた訴訟の上告審判決が4日、最高裁第2小法廷であった。
 中川了滋裁判長は、「現在の民法は死後生殖を想定しておらず、親子関係を認めるか否か、認めるとした場合の要件や効果を定める立法がない以上、法律上の親子関係は認められない」と述べ、認知を認めた2審・高松高裁判決を破棄、男児側の請求を棄却した。法的な父子関係は認められないことが確定した。
以上読売新聞より引用


「母」とはなんでしょうか
「母」とは「分娩した人間」と考えられてきました。
その考えでは代理母は分娩しているのですから「母」になります。
血統という観点からいうと卵子提供者が母になります。
しかし、もっとも重要なことは母として育てる関係にあるのかどうかです。
その観点からいえば、子宮を貸しただけで育てる意思も、育てる関係性もない代理母は「母」にはなりえません。

ただし、それを法律関係に反映させるには、出生届ではなく、代理母と育てる母との間で特別養子縁組をするのが適当でしょう。

父とは何かはさらに厄介です。
父は分娩をしないのですから子との自然的繋がりがないわけです。

単に精子を提供しただけで育てる意思のない者を父とすることはできないでしょう。
ここでも育てる意思と関係性で決めるしかないでしょう。
その意味では、受胎以前に死亡した者が父になることは不可能でしょう。父は存在しないというほかないでしょう。

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2006.09.01 Fri
親族相盗例
刑法244条は、
配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条(窃盗)の罪、第235条の2(不動産侵奪)の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
と定めています。

法は家庭に入らずという思想に基づくといわれています。

引用
出典:内縁の妻からの窃盗、刑の免除なし 最高裁が初判断ー2006年09月01日朝日新聞
配偶者から物を盗んでも刑が免除される刑法の規定は、内縁の妻の場合には適用されない、との初判断を最高裁第二小法廷(津野修裁判長)が示した。この考えに基づき、同小法廷は同居中の女性の現金を盗んだとして窃盗罪に問われ、刑の免除を主張した無職の男(65)の上告を棄却する決定をした。決定は8月30日付で、懲役2年6カ月とした一、二審判決が確定する。
以上朝日新聞より引用


文言上は、配偶者とは戸籍上婚姻の届出をしている者ですから、
内縁関係には適用されないのは当然ですが、
そこがはっきりしたという判例ですね。

逆に、戸籍上婚姻の届出があっても、結婚詐欺にあたる場合には適用がないという裁判例もあります。

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