大阪市北区にある関西合同法律事務所 弁護士歴30年井上直行のBlog エッセイならぬdessay です
法律事務所随想 | 弁護士つれづれ | 裁判所周辺の四季 | 裁判 | 憲法 | 教育・学校 | 土地建物 | 事故 | 労働 | セクハラ・パワハラ | 家族 | 離婚 | 遺言 | 商事 | カードサラ金借金 | 消費生活 | 環境 | 被害者 | 刑事 | 書評 | 旧所名跡 | 落語・漫才 | チャングム | 未分類 | 
弁護士井上直行です
リンクです
FC2カウンター
井上直行 弁護士ブログ  関西合同法律事務所 デッセイ
≪2017.10  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  2017.12≫
最新記事
2016.12.08 Thu
中学校のクラブ活動である剣道部活動中に、顧問教諭が女子生徒の腰部を痛みを感じるような強さで蹴りつけることは、生徒の冗談に突っ込みを入れる気持ち・親しみを込める気持ちであったとしても、違法な有形力の行使である暴行に該当し、国家賠償法上違法な行為に当たるとされた事例
中学校のクラブ活動である剣道部活動中に、顧問教諭が女子生徒の腰部を痛みを感じるような強さで蹴りつけることは、生徒の冗談に突っ込みを入れる気持ち・親しみを込める気持ちであったとしても、違法な有形力の行使である暴行に該当し、国家賠償法上違法な行為に当たるとされた事例

東京高等裁判所平成17年12月22日判決(控訴人生徒、被控訴人横浜市)
判例タイムズ1237号285頁

 「教諭が一審原告を蹴ったいきさつについて、教諭の陳述書には、一審原告が友人に「ああ疲れた、私も年ね」と言ったので、「何言っているんだ、まだ若いくせに」と部活の顧問と部員の親しみを込めて蹴った旨の部分があり、その場に居合わせた生徒の陳述書中にも、一審原告の冗談を受けて、あるいは冗談に突っ込みを入れるという感じで、軽く蹴った旨の部分があるのに対し、一審原告は、友人と話をしているといきなり蹴られた旨供述し、なぜ蹴られたのか説明がない。部活の練習中に無駄話をしたことに対する注意あるいは体罰として蹴ることは一般論としてはあり得ることであるが、教諭は部員に注意するために手を出したり蹴ったりすることは一切ない旨の部分に照らせば、教諭が蹴ったのは体罰あるいは注意の手段としてではなく、教諭の陳述書のとおりのいきさつであったと認めるのが相当である。
 もっとも、その蹴りの強さについては、一審原告は「そんなに弱くはなくて、だからといってそう強くもなかったという感じです。でもバランスを崩すくらい強かった。」旨供述しており、同一審原告が帰宅後一部始終を母親に話し、整形外科へ赴き診療を受け、医師にも先生に腰を蹴られた旨述べていることに照らしても、痛みを感じ、それが持続する程度の強さであったことが認められ、これに反する部分は信用できない。
 教諭としては、一審原告の冗談に突っ込みを入れる気持、親しみを込める気持であったとしても、教師が生徒を背後から突然痛みを感じるような強さで蹴りつけることは違法な有形力の行使である暴行に該当するというべきである。」


 判決は、教諭の失言(生徒を「やくざ」と評するような発言)については、
 「教師が自由闊達な授業を心がけ、率直に生徒とふれ合う時、その触れ合いの中で生徒に対する言動が思わぬ波紋を呼ぶことは避けられないことであって、個々に授業中の言動を取り上げ、波紋の及んだ結果から見れば、その言動が教育上の配慮を欠く不適切なものであったといえても、授業全体の中で見れば、それが生徒に対する悪意によるものではなく、単なる失言と評価すべきものであることが明らかで、生徒に与える悪影響がそれほど大きなものとはいえない場合は、この言動を捉えて生徒に対する国家賠償法1条1項にいう違法行為とまで認めることはできない。」としている。

 判例は、教師による教育活動として生徒との接触交流を広く認めながらも、有形力の行使に関しては厳格に禁止するという態度であるといえる
スポンサーサイト

テーマ:政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル:政治・経済
教育・学校    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

Comment

管理者にだけ表示を許可する

Top↑

TrackBack
TrackBackURL
http://kansaigodo.blog42.fc2.com/tb.php/361-bfae99bf

Top↑