大阪市北区にある関西合同法律事務所 弁護士歴30年井上直行のBlog エッセイならぬdessay です
法律事務所随想 | 弁護士つれづれ | 裁判所周辺の四季 | 裁判 | 憲法 | 教育・学校 | 土地建物 | 事故 | 労働 | セクハラ・パワハラ | 家族 | 離婚 | 遺言 | 商事 | カードサラ金借金 | 消費生活 | 環境 | 被害者 | 刑事 | 書評 | 旧所名跡 | 落語・漫才 | チャングム | 未分類 | 
弁護士井上直行です
リンクです
FC2カウンター
井上直行 弁護士ブログ  関西合同法律事務所 デッセイ
≪2017.10  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  2017.12≫
最新記事
2008.03.28 Fri
沖縄戦集団自決・損賠訴訟:「軍が関与」 元隊長らの請求棄却
引用
出典:沖縄戦集団自決・損賠訴訟:「軍が関与」 元隊長らの請求棄却ー毎日新聞2008年3月28日
ノーベル賞作家・大江健三郎さん(73)の著作「沖縄ノート」などで、第二次世界大戦の沖縄戦で集団自決を命令したとの虚偽の記述をされ名誉を傷つけられたとして、旧日本軍の戦隊長らが大江さんと出版元の岩波書店に対し、出版差し止めと慰謝料2000万円の支払いを求めた訴訟の判決で、大阪地裁(深見敏正裁判長)は28日、請求を棄却した。深見裁判長は「隊長の関与は十分に推認される」とし、名誉棄損にはあたらないと判断した。また、当時の状況などから「集団自決には旧日本軍が深くかかわった」と認定した。

 隊長の自決命令の有無については「認定にはちゅうちょせざるを得ない」と明確な判断は避けたが、「沖縄ノート」の記述内容などに関しては「真実と信じるに足る相当な理由がある」とした。原告側は控訴する方針。

 原告は、沖縄・座間味島にいた海上挺進隊第1戦隊長の梅沢裕さん(91)と渡嘉敷島の同第3戦隊長だった故赤松嘉次さんの弟秀一さん(75)。沖縄県平和祈念資料館によると、座間味島では171人、渡嘉敷島で329人が集団自決したとされる。

 隊長らは05年8月、いずれも岩波書店が出版した「沖縄ノート」と故家永三郎さんの「太平洋戦争」での記述を巡って提訴した。「隊長命令の有無」と「名誉棄損の成否」が争点となった。

 深見裁判長は軍の関与について、手りゅう弾が自決用として交付された▽日本軍が駐屯しない島では集団自決が発生しなかったことなどを根拠に「深くかかわった」と認定した。

 また、両島では、軍が「隊長を頂点とする上意下達の組織」であり、隊長の関与も「十分に推認できる」とした。直接的な命令の有無については「命令の伝達経路が判然としない」とし、判断を避けた。

 記述内容の真偽に関しては、05年度までの教科書検定での対応や学説の状況から、「両著作の記述については合理的資料や根拠がある」とした。

以上毎日新聞より引用

名誉毀損であるか否かは、公共性、公益目的、真実または真実と信じるに足る相当の理由という要件であるから、原告の請求が棄却されたのは当然の結果である。この当然の結果はたぶん法律家であれば、提訴以前から予想できたことではなかろうか。

それゆえか、原告側は、「守備隊長たる自分は命令していない」という点に主点をおいて訴えていたのだろう。自分が自分のことを証言しているのだから、これ以上の真実はないという論理かもしれない。大阪地方裁判所もそれが嘘だとは断定できなかった。戦後60年経ってから提訴したのだから守備隊の指揮命令系統を証言する者も既に死亡しているだろうからその真偽を判断することは裁判的には不可能だろう。

名誉毀損ではないことは明白であるが、原告の提訴はその後の教科書検定に影響を与えるなどしたのだから、控訴審も注目に値する。
スポンサーサイト

テーマ:本日のニュースより - ジャンル:政治・経済
憲法    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

Comment

管理者にだけ表示を許可する

Top↑

TrackBack
TrackBackURL
http://kansaigodo.blog42.fc2.com/tb.php/269-0b6fdb36

Top↑