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2008.03.06 Thu
給食費と保証人
給食費の滞納が話題になっていますが、給食費に保証人をとることについて、栃木県弁護士会が、意見書を発表しています。
宇都宮市の学校給食費確約書に関する意見書ー2007年12月17日栃木県弁護士会
1.意見の主旨
 宇都宮市では、平成19年度より、学校給食費の滞納対策等を目的として、すべての保護者に対して「学校給食費納入確約書」を提出させ、かつ連帯保証人を付すよう求めている。当会としても、滞納対策の必要性を軽んじるものではない。しかし、連帯保証人を付すよう求めること(以下「本施策」という。)については、来年度からは取りやめるべきであり、今年度締結された連帯保証契約は来年度に継続して更新されるべきではない。
2.意見の理由
(1)法令上根拠のない過度な負担の事実上の強制
 給食費の負担について、学校給食法第6条第2項は、「前項に規定する経費以外の学校給食に要する経費(以下「学校給食費」という。)は、学校給食を受ける児童又は生徒の学校教育法第22条第1項に規定する保護者の負担とする」と定めるのみであり、保護者に対して連帯保証人を付すよう求めることについては、法律や条例上の根拠はなく、このことは宇都宮市も認めているところである。
 宇都宮市は、各校に対し、連帯保証人を求めることについて「保護者の状況により個別に相談に応じる」ことも求めているが、「相談」の内容が不明瞭であり、全保護者に対して連帯保証人を付すよう求める原則を崩さない以上は、やはり事実上の強制となりかねないことに変わりはない。
 また、市は、連帯保証人の選定が困難な場合として転勤者等を挙げ、各校に個別に相談に応じるよう求めているが、連帯保証人の選定が困難な場合は転勤者等に限られないと思われる。核家族化が進んでいる現在、人的関係が希薄な保護者にとっては、連帯保証人候補者を探して了解を取り付けること自体が困難であり、大きな負担となる。
 以上のとおり、本施策は、何ら法令上根拠のない過度な負担を事実上強制するものであり、不適切といわざるを得ない。
(2)連帯保証契約に対する無理解
 連帯保証契約とは、連帯保証人に債務者(保護者)とほぼ同等の責任を負わせる、という効果をもたらす。
 しかし、宇都宮市は、本施策をとる理由を「給食費が納入されない原因や状況などを連帯保証人にも相談させていただく」ためとしており、連帯保証契約の法的性質やその効果を十分に理解しているとはいい難い。
(3)滞納状況
 滞納額のみが大きく報道され、世論に多大な影響を及ぼしているが、全支払義務者のうち滞納者は全市で、平成17年度で260人(0.7%)、平成18年度では211人(0.5%)に過ぎない。額としても給食費総額のうち、平成17年度は0.5%、平成18年度は0.3%に過ぎない。
 このように、滞納額・滞納者数ともに僅かに過ぎない状況においては、本施策をとる必要性を見出すことができない。
 なお、平成18年度の滞納額及び滞納者数は減少しているが、本施策をとった効果かどうかは判然としない。
(4)教育上の観点
 給食費の滞納問題は、本来学校と家庭とが緊密に連携して滞納の原因を除去することにより解消すべきものである。滞納額減少をはやる余り、連帯保証契約の本質を理解しないまま安易に連帯保証人を付すよう求めることは、教育上の観点からも好ましくない。
 責任感・規範意識の欠如に基づく悪質な滞納者に対しては、支払督促等法的措置を考慮すべきであり、連帯保証人を付すよう求めることにより責任感・規範意識を醸成するとの発想は不適切である。
以上のとおり、本施策には問題点が多く適切ではないため、来年度からは取りやめるべきであり、今年度締結された連帯保証契約は来年度に継続して更新されるべきではない。
 なお、単純な保証人であっても、連帯保証人とほぼ同様の問題を生ずるのであるから、連帯保証人であると単純な保証人であろうと結論を異にするものではない。


これに対して、宇都宮市は、
給食費 連帯保証人から保証人に 来年度から宇都宮市教委 ー毎日新聞 2008年3月6日
によると、
連帯保証人を保証人にすこし緩めて求めることにしたということです。
しかし、保証人ですら、それを求める法的根拠はないはずです。
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テーマ:教育問題 - ジャンル:政治・経済
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