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2011.02.17 Thu
甘い匂いと損害
引用
出典:「甘いにおい」訴訟が和解 製菓会社が住民に解決金ー2011年2月16日 共同通信 
菓子特有の「甘いにおい」で苦痛を受けたなどとして、京都市の製菓会社「石田老舗」の工場(2008年に移転)周辺に住む17人が同社に損害賠償を求めた訴訟は、会社側が解決金100万円を支払うことで大阪高裁で和解が成立した。訴訟関係者への取材で16日、分かった。
 和解は14日付。住民側の弁護士は「一審判決の認定には大きな意義があり、尊重する形で和解することとした」、石田老舗は「音やにおいが『公害』だったとは一切考えていないが、いつまで争ってもらちが明かず、裁判所の勧めに応じた」とそれぞれ話している。
 一審京都地裁判決などによると、同社は05年2月~08年6月、京都市南区で工場を操業し、そばぼうろやフィナンシェなどを製造。その際、あめやカステラ、バターのようなにおいが発生した。また、建築基準法の規制に反して高出力の機械を使用し、市は是正勧告や命令を出したが、状況は改善されなかった。
 一審判決は、甘いにおいに対する規制基準はなく、不快に感じるかどうかは個人差が大きいとした上で「長期間継続すればかなりの苦痛になる」と指摘。今回のケースを「受忍限度を超えていた」と認め、騒音被害と合わせた慰謝料など計約280万円の支払いを命じた

以上 共同通信より引用

匂いによる損害というのは、いくらなのでしょうか
近隣住民の当初請求が1人3年間で約100万円(1日約1000円)
京都地裁の認容が1人3年間で約15万円(1日約150円)
大阪高裁の和解が1人3年間で約5万円(1日約50円)

工場が移転したので、継続的に匂いが続いているわけではないという事情を考えても
1日約50円は低すぎると思われる
不快感は個人差があるにしても、苦痛であることに変わりがないので1日約500円は必要だと思われる
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2011.02.12 Sat
弁護士会照会と損害賠償
引用
出典救急活動情報照会損賠訴訟:岐阜市に6万円支払い命令 違法性の確認は却下 /岐阜ー毎日新聞 2011年2月11日
岐阜市内で08年9月、救急搬送されて死亡した女性(当時31歳)の夫(39)=各務原市=らが、消防署の救急活動内容を弁護士会を通じて照会したのに回答を拒否されたのは違法として、消防署を管轄する岐阜市に対し、違法性の確認と損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、岐阜地裁であった。針塚遵裁判長は「回答を拒否する正当な理由はない」として市に6万5250円の支払いを命じた。
 判決は「回答拒否により、(医療過誤訴訟を提起しようとしている)原告の利益が妨げられた」と指摘した。違法性については、原告側が主張する法律の対象に該当しないとして却下した。
 判決によると、女性は08年9月19日、帝王切開手術後に大学病院に搬送されたが、そのまま死亡した。搬送に約1時間20分を要したため、原告側は救急隊の活動内容について愛知県弁護士会を通じて照会した。

以上毎日新聞より引用

弁護士法 第23条の2(報告の請求)
  弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。
2 弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

弁護士法23条の2に基づく照会を受けた公務所又は公私の団体は、照会に応じずに報告をしなかった場合についての制裁を定めた規定がないものの、当該照会により報告を求められた事項について、照会をした弁護士会に対して、法律上、報告する公的な義務を負うものと解するのが相当である(大阪高裁判決平成19年1月30日金判1263号25頁)と解釈されています。

回答拒否に対し、損害賠償を認めた事例も出ています(京都地判平成19年1月24日判タ1238号325頁)
法定相続人の一人である原告が、遺言執行者である被告(司法書士)に対し、原告の代理人弁護士の申出に基づいてされた弁護士法23条の2に基づく遺言執行状況についての照会について回答しなかったことが違法であるとして、損害賠償請求をした事案で、
京都地裁は、弁護士法23条の2に基づく照会について相手方は、自己の職務の執行に支障のある場合及び照会に応じて報告することの持つ公共的利益にも勝り保護しなければならない法益がほかに存在する場合を除き、原則として拒絶することができない、遺言執行者は共同相続人に対し遺言執行の内容について報告すべき義務を負っており受遺者の同意がないことは回答を拒絶する正当な理由になりえないとして報告拒否が違法であるとした上、損害賠償請求を認めています。

本件は、これとどうようの立場に立って、損害賠償を認めたものといえます。

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