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2010.03.26 Fri
競業避止義務
引用
出典:退職後に競合会社、元の顧客から受注は「自由競争の範囲」 最高裁ー2010年3月25日産経新聞
機械部品製造会社を退職した従業員が、競合する業種の会社を始め、元の勤務先の取引相手に営業し、受注した行為が不法行為にあたるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は25日、「自由競争の範囲を逸脱した違法なものとはいえない」との判断を示した。その上で、競合会社側に賠償を命じた2審名古屋高裁判決を破棄、元の勤務先側の訴えを退けた。
 同小法廷は「競合会社側が元の勤務先での人間関係を利用することを超えて、元勤務先の秘密情報を使ったり、信用をおとしめたりするなどの不法な方法で、営業活動を行ったとは認められない」と指摘した。
 1審名古屋地裁一宮支部は元の勤務先側の訴えを退けたが、2審は「競合行為を隠蔽(いんぺい)する工作を施した。過去の顧客情報を利用したことも、元の勤務先に気づかれないように工作した」などと判断、不法行為を認定した。
 2審判決などによると、原告の機械部品会社(愛知県大口町)を依願退職した元従業員2人は、休眠会社を利用して、競合する会社の経営を始め、かつての取引先4社から受注するようになった。

以上産経新聞より引用

最高裁判所は、
「社会通念上自由競争の範囲を逸脱した違法なものといえるか否か」という基準を立てて
「退職のあいさつの際にもと取引先に対して独立後の受注希望を伝えるようなもともと営業担当であったことに基づく人的関係を利用すること」は認め、「もとの会社の営業秘密に係る情報を用いるとかもとの会社の信用をおとしめるよう営業活動を行う」は認めないとしています。
当初から顧客を奪って独立する計画であったとか不正な手段を用いて顧客を奪ったとかいうようなことがないならば
自由競争の範囲としようとするもので、職業選択の自由をより広く認めたものといえるでしょう。


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2010.03.04 Thu
公正証書遺言
引用
出典:「公正証書遺言」の効力を否定 宇都宮地裁判決ー2010年3月4日産経新聞
死亡した父親の遺言書による土地所有権の移転は無効だとして、宇都宮市の男性(50)が土地の移転登記抹消を求めた訴訟で、宇都宮地裁(竹内民生裁判官)が、公証人が作成した遺言書には効力がないとして、原告の訴えを認める判決を出したことが4日、分かった。公証人が作成した公正証書の効力が否定される判決は、全国的にも珍しいという。
 判決によると、遺言書は末期がんで父親が亡くなる前日の平成20年10月22日に作成され、父親の知人女性に土地や建物を贈与するという内容となっていた。
 竹内裁判官は「父親は末期がんで意識レベルが低下しており、公証人の問いかけに対し、声を出してうなずくのみだった」と指摘し、民法で定められた遺言の条件となる「口授」を満たしていないと判断、遺言を無効とした。


遺言は、その効力が問題となる段階では、ご本人は死亡してしまっているので、問題が起こらないように、要件がきびしく定められています。公証人が作成する公正証書遺言はもっとも要件がきびしいので、後日、その効力が覆ることは稀です。
末期がんで死亡前日に知人女性に不動産を贈与するという内容からみて、ほんとうなのかどうかいう疑いが生じるケースなのでしょうね。
効力が否定されるときは、「口授」がないということがほとんどです。「口授」は、遺言する人が、遺言内容を公証人に対し、口頭で、伝えることが必要です。
遺言する人が、その内容を理解し、自分の口で、伝えることができないようなら、遺言する能力がない状態になっていたということになります。
問題になるような内容ならもっと早くに遺言しておけばよかったということでしょうか。

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