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2008.03.31 Mon
法テラス副所長が抗議の辞任 「コピー代も出ず、なり手いなくなる」
引用
出展:法テラス副所長が抗議の辞任 「コピー代も出ず、なり手いなくなる」ー2008年3月31日東京新聞
刑事裁判の被告に国選弁護人をあっせんする日本司法支援センター(法テラス)の愛知地方事務所の石井三一副所長(弁護士)が、弁護士過疎地域での弁護活動補助をめぐる本部の方針変更に抗議し、辞任していたことが分かった。被告の弁護に必要な証拠書類のコピー代について、法テラスが行っていた肩代わりを本部が廃止したためだ。

 刑事事件で被告の国選弁護人に選定された弁護士は、検察庁が開示した証拠書類について、閲覧するか必要な分をコピーをする。コピー費用は200枚以内は報酬に含まれているが、それを超えた分は弁護士の負担となる。

 弁護士過疎地域での裁判では都市部から弁護士が出向く。距離の離れた地検の現地支部には頻繁に行けないため、証拠の十分な閲覧ができず、全部コピーせざるを得ない事情がある。膨大な量になることが多く、赤字になるケースも。

 こうした国選弁護人には、法テラスがコピー代を全額負担する特例処置を実施。愛知地方事務所管内では、名古屋地裁半田支部で行われる事件に名古屋などから国選弁護人が行く場合が対象だった。

 しかし昨年11月、法テラスの本部が特例措置廃止を通達。愛知地方事務所は、国選弁護人のなり手がいなくなると反対したが方針は変わらず、同月、石井副所長が抗議の辞任をした。

 本部は「報酬の規定改正で、出張手当が出るようになったのでコピー代はいらないと考えている」としている。

◆豊川・幼児連れ去り公判では時給487円

 法テラスによるコピー代金の肩代わりの維持を愛知地方事務所幹部が求めた背景には「国選弁護人への報酬があまりにも低い」との指摘が弁護士の中からあるからだ。

 報酬は、地裁の単独事件で、実質的な公判の開廷数が3回以上の場合は最大で8万4000円。200枚までのコピー代金も含んでいる。

 愛知県豊川市で2002年、幼児が連れ去られ海岸で水死体で発見された事件。殺人罪などに問われた被告の国選弁護を担当した名古屋市の弁護士の一審裁判の支出は、心理鑑定費用35万円やコピー代金16万円などで計約72万円。

 報酬は弁護士1人当たり40万円とコピー代金の実費支給で赤字ではなかったが、時給に換算すると、487円。裁判所から法テラスに国選弁護人のあっせん機関が代わるのと同時に報酬基準が改定されたが「前より2割ほど減った」との指摘もある。

 愛知県弁護士会のある弁護士は「来年から被疑者段階で国選弁護人が必要となる事件の枠が広がり、弁護人の負担はさらに増す」と指摘。「司法改革の一環で弁護士が増えて競争激化が予想される状況で、赤字になる可能性がある国選弁護を引き受ける弁護士が地域によってはいなくなってしまう恐れもある」と訴える。

以上東京新聞より引用

石井三一弁護士は、平成16年度の名古屋弁護士会副会長だそうです。
「時給487円」は、すべての事件ではないでしょうが、複雑な事件になるとそれに近いことになりかねませんね。
あまりに低すぎるということでしょうね。
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2008.03.28 Fri
沖縄戦集団自決・損賠訴訟:「軍が関与」 元隊長らの請求棄却
引用
出典:沖縄戦集団自決・損賠訴訟:「軍が関与」 元隊長らの請求棄却ー毎日新聞2008年3月28日
ノーベル賞作家・大江健三郎さん(73)の著作「沖縄ノート」などで、第二次世界大戦の沖縄戦で集団自決を命令したとの虚偽の記述をされ名誉を傷つけられたとして、旧日本軍の戦隊長らが大江さんと出版元の岩波書店に対し、出版差し止めと慰謝料2000万円の支払いを求めた訴訟の判決で、大阪地裁(深見敏正裁判長)は28日、請求を棄却した。深見裁判長は「隊長の関与は十分に推認される」とし、名誉棄損にはあたらないと判断した。また、当時の状況などから「集団自決には旧日本軍が深くかかわった」と認定した。

 隊長の自決命令の有無については「認定にはちゅうちょせざるを得ない」と明確な判断は避けたが、「沖縄ノート」の記述内容などに関しては「真実と信じるに足る相当な理由がある」とした。原告側は控訴する方針。

 原告は、沖縄・座間味島にいた海上挺進隊第1戦隊長の梅沢裕さん(91)と渡嘉敷島の同第3戦隊長だった故赤松嘉次さんの弟秀一さん(75)。沖縄県平和祈念資料館によると、座間味島では171人、渡嘉敷島で329人が集団自決したとされる。

 隊長らは05年8月、いずれも岩波書店が出版した「沖縄ノート」と故家永三郎さんの「太平洋戦争」での記述を巡って提訴した。「隊長命令の有無」と「名誉棄損の成否」が争点となった。

 深見裁判長は軍の関与について、手りゅう弾が自決用として交付された▽日本軍が駐屯しない島では集団自決が発生しなかったことなどを根拠に「深くかかわった」と認定した。

 また、両島では、軍が「隊長を頂点とする上意下達の組織」であり、隊長の関与も「十分に推認できる」とした。直接的な命令の有無については「命令の伝達経路が判然としない」とし、判断を避けた。

 記述内容の真偽に関しては、05年度までの教科書検定での対応や学説の状況から、「両著作の記述については合理的資料や根拠がある」とした。

以上毎日新聞より引用

名誉毀損であるか否かは、公共性、公益目的、真実または真実と信じるに足る相当の理由という要件であるから、原告の請求が棄却されたのは当然の結果である。この当然の結果はたぶん法律家であれば、提訴以前から予想できたことではなかろうか。

それゆえか、原告側は、「守備隊長たる自分は命令していない」という点に主点をおいて訴えていたのだろう。自分が自分のことを証言しているのだから、これ以上の真実はないという論理かもしれない。大阪地方裁判所もそれが嘘だとは断定できなかった。戦後60年経ってから提訴したのだから守備隊の指揮命令系統を証言する者も既に死亡しているだろうからその真偽を判断することは裁判的には不可能だろう。

名誉毀損ではないことは明白であるが、原告の提訴はその後の教科書検定に影響を与えるなどしたのだから、控訴審も注目に値する。

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2008.03.18 Tue
井上ひさし VS 藤本義一  ビッグ対談
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「九条の会・おおさか」のつどい

  井上ひさし VS 藤本義一  ビッグ対談
     --戦争・地球・憲法--

日時 2008年3月21日(金) 午後6時30分~ (6時開場)
会場 大阪市立中央公会堂 (中之島公会堂) 
         交通 : 地下鉄・京阪電車 「淀屋橋」駅 ①出口から徒歩5分
         住所 : 大阪市北区中之島1-1-27
出演
  井上ひさしさん (小説家・劇作家)
  藤本義一さん (小説家・放送作家)
               ・・・「ビッグ対談--戦争・地球・憲法」
  宮本憲一さん(大阪市立大学名誉教授、「九条の会・おおさか」呼びかけ人)
               ・・・スピーチ 「地球環境と憲法」
  寺谷一紀さん (元NHKアナウンサー)
               ・・・やわらかい大阪弁で、司会をつとめます
                            ※ 手話通訳があります
参加費 1000円  ・学生は500円。 ・介助者は無料。

主催 九条の会・おおさか
    〒530-0047 大阪市北区西天満3丁目12-38 八方商事第一ビル303号室
             電 話 06-6365-9005   FAX 06-6365-9006 

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2008.03.17 Mon
保護者苦情で精神性疾患 保育士に労災認定
引用
出典:保育士2人に労災認定 保護者苦情で精神性疾患ー2008年3月17日神戸新聞
兵庫県東部の民間保育園で、男性保護者から繰り返し怒鳴られるなどし、ストレス障害やうつ状態となったとして、20代の女性保育士2人が、西宮労働基準監督署から労災認定を受けていたことが16日、分かった。

 学校など教育現場に理不尽な要求や苦情を寄せる児童・生徒らの保護者により、精神的に追い詰められ休職する教員らも少なくないが、労災が認められたケースは珍しいという。

 関係者によると、保育士の一人が最初に苦情を受けたのは2006年夏。園内の展示物をめぐって、担当する園児の男性保護者が「整理整頓されていない」などと指摘、かばんを床に投げつけるなどして詰め寄ってきたという。

 もう一人の担任保育士が謝罪したが、園児の送迎の際、「担任を変えろ」などと怒鳴られるなど、男性の行動はエスカレート。「首をつって死ねとまで言われた」(保育士)といい、男性が園に現れる送迎時間の朝、夕に動悸(どうき)が激しくなったり、身の危険を感じ外出できなくなったりしたらしい。

 2人はそれぞれうつ状態、ストレス障害と診断され、最初の苦情から約1カ月後、相次いで休職。1人は職場復帰したが、もう1人はいったん保育園に戻ったものの退職した。

 2人は07年4月、保護者の激しいクレームで精神性疾患になったなどとして、民間団体「関西労働者安全センター」(大阪市)の協力で、西宮労働基準監督署に労災を申請、昨年末に認定され、療養補償支給が決まった。

以上神戸新聞より引用

教育や保育の現場で、「謝罪せよ、担任を代えろ、処分せよ、懲戒解雇せよ、辞職せよ」などと無理難題を要求してくる保護者のことが報じられることが多いですが、「死ね」とはあまりにも酷すぎますね

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2008.03.14 Fri
痴漢でっち上げ
引用
出典:痴漢でっち上げ被害者心境語る 大阪の会社員ー2008年3月13日産経新聞
 甲南大生らによる痴漢でっち上げ事件で、犯人に仕立てられ大阪府警に逮捕された堺市北区の会社員、国分和生さん(58)が13日、産経新聞の取材に応じた。取り調べでは「何を言っても信じてもらえなかった」といい、「こんな目にあう人が二度とないようにしてほしい」と訴えた。

 事件は2月1日午後8時半ごろ、仕事帰りに乗った大阪市営地下鉄御堂筋線の車内で起きた。天王寺駅手前でブレーキがかかり、国分さんが隣に立っていた女(31)と肩が触れた瞬間、女が「触りましたね」と声を上げ、泣きながらしゃがみ込んだ。そこへ、乗客をかき分けて甲南大4年、蒔田文幸容疑者(24)=京都市山科区、虚偽告訴容疑で逮捕=が「触りましたよね」と連呼しながら近寄ってきた。

 国分さんは誤解を解こうと、自ら天王寺駅で降りた。「助けてもらえる」との思いで足を運んだ駅の一室。「やってない」と訴えたものの、声を荒らげる警察官は「触ったやろう」と耳を貸さず、府迷惑防止条例違反で現行犯逮捕、阿倍野署に連行された。暗い留置場で、男手一つで育てた結婚前の娘たちが頭に浮かび、「犯罪者にされたら迷惑がかかるな」と一睡もできなかった。

 翌日も朝から取り調べが続いた。弁護士と接見して無実を訴えた後、午後6時にようやく釈放。迎えに来た3人の娘たちが駆け寄り、抱きついてきた。「こんなことになってごめん」。娘に見せた初めての涙。「いいよ、信じてるから」との言葉が支えになった。

 容疑が晴れたのは女が自首した後の2月中旬。女は交際中の蒔田容疑者から「示談金をとろうともちかけられてやった」と供述したといい、署の取調室で数人の刑事が「私たちもだまされました」と国分さんに謝罪した。その後、熊見裕署長から「このような事件がないよう一生懸命捜査します」と電話があったという。

 国分さんは「男性なら誰でも起こり得ること。周囲の信頼がなかったら心が折れていたかもしれない」と振り返り、取り調べに関して「何を言っても信じてもらえなかった。警察は最初にもっと言い分を聞いてほしかった」と話した。

以上産経新聞より引用

警察がいっさい言い分をきかないこと
家族に迷惑がかかると心配して一睡もできなかったこと
翌日当番弁護士が来たこと

これで、翌日の午後に釈放されず、弁護士も来てくれず、娘さんらとも連絡がとれなかったとしたら
どうなっていただろうか
虚偽自白はそういうところから発生してくる

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2008.03.13 Thu
長時間勤務解消 教師の訴え棄却
引用
出典:長時間勤務解消 教師の訴え棄却ー2008年3月14日 読売新聞
川口市立小、中学校に勤務する教員3人が、長時間の時間外勤務の解消などを求めた措置要求を退けたのは不当だとして、県人事委員会を相手取り、判定の取り消しを求めた訴訟の判決が13日、さいたま地裁であった。遠山広直裁判長は「判定に事実誤認や違法はない」として訴えを棄却した。

 判決などによると、3人は県人事委に対し、時間外勤務の解消などを求め、地方公務員法に基づく措置要求をしたが、同委は2006年3月、「時間外勤務が意に反してしなくてはならない状況があったとは言えない」などとして認めなかった。
 
以上読売新聞より引用


措置要求に対する不服申し立てとしては、
地方裁判所に、人事委員会(公平委員会)の判定を取り消すように裁判を起こすことになる
判定の基礎となる事実に誤りがあったり、判定の内容に裁量の逸脱があれば、取り消すことになるが、結構 門は狭い。

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2008.03.12 Wed
正当防衛
通路の柵破壊は「正当防衛」「私道でなく市道」 大阪高裁ー2008年3月12日産経新聞
私道の入り口に設置された鉄製の柵を壊したとして、器物損壊罪に問われた弁当店経営の男性(59)=奈良県葛城市=の控訴審判決で、大阪高裁は11日、求刑通り罰金20万円とした1審・葛城簡裁判決を破棄、無罪を言い渡した。

 当初は私道とされたが、1審判決後に市道と判明。片岡博裁判長は柵を壊した男性の行為を「公道を通るための正当防衛に当たる」と認定した。

 男性は平成16年4月、御所市内の私道(幅約2メートル)入り口に設置された鉄製の柵(約3万円相当)を壊したとして、18年12月に起訴された。

 この道はもともと男性が所有していた土地の一部だったが、競売にかけられ別の所有者のものになった15年以降も男性が農作業のため耕運機で通行するなどたびたび利用したため、所有者が柵を設置したという。

 昨年8月の1審判決は私道上の柵を壊した行為を器物損壊と認定して男性を有罪としたが、判決後に男性が同市役所などで独自に調査。その結果、柵が設置された道は昭和62年に市道として認定されていた公道だったことを突き止め、控訴していた。

 公道であれば柵は勝手に設置された「障害物」となり、2審判決は、男性が公道を通行する権利を不当に侵害されたことに相当すると判断、正当防衛と認定した。

以上産経新聞より引用

「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」(刑法36条1項)。
公道に、障害物が設置されたのは、違法であり、その違法がず~と継続しているのだから、「不正の侵害」があることは間違いない。
しかし、「急迫」といえるのだろうか
公道の管理者に、撤去を求めるという時間的余裕がないほどに、守らねばならない法益(耕運機の通行)が大きいのだろうか すこし疑問が残る
単なる自救行為にすぎないともいえる

検察官の起訴が、私道か公道かを確かめずにしたずさんなもので、かつ簡裁の判決もずさんだったので、高裁が若干ムリがあっても救済する意味で正当防衛としたのかもしれない

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2008.03.11 Tue
措置要求
各務原市公平委の判定取り消し 市職員勤務評定訴訟ー2008年02月28日岐阜新聞
勤務評定の是正を求めて措置要求した各務原市の男性主査(52)が、市公平委員会の却下の判定を不服とし、市に判定取り消しなどを求めた行政訴訟の判決言い渡しが27日、岐阜地裁であった。西尾進裁判長は「措置要求の対象にならないとして却下した部分は違法」として、原告の請求を一部認め、判定の取り消しを命じた。原告代理人によると、公平委員会の判定の取り消しが認められるのは珍しいという。

 西尾裁判長は「評定が下がったことで勤勉手当が減額されており、措置要求の対象というべき」と判断。「原告の具体的な主張がなかった」として却下した市公平委員会の判断について「原告の真意を解釈するのは十分可能。漫然と措置要求の対象とならないと判断したのは違法」と指摘した。

以上岐阜新聞より引用

公務員には労働基本権が制限された代償として措置要求制度があります。
措置要求制度とは、公務員が、給与、勤務時間その他の勤務条件について適当な措置が執られるべきことを人事委員会(公平委員会)に対して要求する制度です。人事委員会(公平委員会)が審査した結果、要求を認容するべきものと認めるときは、人事委員会(公平委員会)の権限に属する事項については実行し、その他の事項についてはその権限を有する地方公共団体の機関に対して、これを実行させるために必要な措置を勧告します。

人事委員会は、都道府県と政令指定都市に、公平委員会は、その他の市町村に設けられていますが、規模の小さな公平委員会では、専任の職員もおらず、きちんとした審査ができていないことが多いです。
各務原市の例もおなじで、まともな判断ができていないということですね。

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2008.03.06 Thu
給食費と保証人
給食費の滞納が話題になっていますが、給食費に保証人をとることについて、栃木県弁護士会が、意見書を発表しています。
宇都宮市の学校給食費確約書に関する意見書ー2007年12月17日栃木県弁護士会
1.意見の主旨
 宇都宮市では、平成19年度より、学校給食費の滞納対策等を目的として、すべての保護者に対して「学校給食費納入確約書」を提出させ、かつ連帯保証人を付すよう求めている。当会としても、滞納対策の必要性を軽んじるものではない。しかし、連帯保証人を付すよう求めること(以下「本施策」という。)については、来年度からは取りやめるべきであり、今年度締結された連帯保証契約は来年度に継続して更新されるべきではない。
2.意見の理由
(1)法令上根拠のない過度な負担の事実上の強制
 給食費の負担について、学校給食法第6条第2項は、「前項に規定する経費以外の学校給食に要する経費(以下「学校給食費」という。)は、学校給食を受ける児童又は生徒の学校教育法第22条第1項に規定する保護者の負担とする」と定めるのみであり、保護者に対して連帯保証人を付すよう求めることについては、法律や条例上の根拠はなく、このことは宇都宮市も認めているところである。
 宇都宮市は、各校に対し、連帯保証人を求めることについて「保護者の状況により個別に相談に応じる」ことも求めているが、「相談」の内容が不明瞭であり、全保護者に対して連帯保証人を付すよう求める原則を崩さない以上は、やはり事実上の強制となりかねないことに変わりはない。
 また、市は、連帯保証人の選定が困難な場合として転勤者等を挙げ、各校に個別に相談に応じるよう求めているが、連帯保証人の選定が困難な場合は転勤者等に限られないと思われる。核家族化が進んでいる現在、人的関係が希薄な保護者にとっては、連帯保証人候補者を探して了解を取り付けること自体が困難であり、大きな負担となる。
 以上のとおり、本施策は、何ら法令上根拠のない過度な負担を事実上強制するものであり、不適切といわざるを得ない。
(2)連帯保証契約に対する無理解
 連帯保証契約とは、連帯保証人に債務者(保護者)とほぼ同等の責任を負わせる、という効果をもたらす。
 しかし、宇都宮市は、本施策をとる理由を「給食費が納入されない原因や状況などを連帯保証人にも相談させていただく」ためとしており、連帯保証契約の法的性質やその効果を十分に理解しているとはいい難い。
(3)滞納状況
 滞納額のみが大きく報道され、世論に多大な影響を及ぼしているが、全支払義務者のうち滞納者は全市で、平成17年度で260人(0.7%)、平成18年度では211人(0.5%)に過ぎない。額としても給食費総額のうち、平成17年度は0.5%、平成18年度は0.3%に過ぎない。
 このように、滞納額・滞納者数ともに僅かに過ぎない状況においては、本施策をとる必要性を見出すことができない。
 なお、平成18年度の滞納額及び滞納者数は減少しているが、本施策をとった効果かどうかは判然としない。
(4)教育上の観点
 給食費の滞納問題は、本来学校と家庭とが緊密に連携して滞納の原因を除去することにより解消すべきものである。滞納額減少をはやる余り、連帯保証契約の本質を理解しないまま安易に連帯保証人を付すよう求めることは、教育上の観点からも好ましくない。
 責任感・規範意識の欠如に基づく悪質な滞納者に対しては、支払督促等法的措置を考慮すべきであり、連帯保証人を付すよう求めることにより責任感・規範意識を醸成するとの発想は不適切である。
以上のとおり、本施策には問題点が多く適切ではないため、来年度からは取りやめるべきであり、今年度締結された連帯保証契約は来年度に継続して更新されるべきではない。
 なお、単純な保証人であっても、連帯保証人とほぼ同様の問題を生ずるのであるから、連帯保証人であると単純な保証人であろうと結論を異にするものではない。


これに対して、宇都宮市は、
給食費 連帯保証人から保証人に 来年度から宇都宮市教委 ー毎日新聞 2008年3月6日
によると、
連帯保証人を保証人にすこし緩めて求めることにしたということです。
しかし、保証人ですら、それを求める法的根拠はないはずです。

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2008.03.03 Mon
国選弁護人
引用
出典:国選弁護人処分、大阪弁護士会判断を日弁連が覆すー2008年3月3日 読売新聞
国からの弁護報酬以外の受領を禁じられている国選弁護人を務めながら、男性被告(当時)から10万円を受け取ったのは職務規定違反として、大阪弁護士会が男性弁護士(54)を戒告処分にしていたことがわかった。弁護士は、拘置中の被告に差し入れをする手数料として10万円を受け取っており、同弁護士会は当初、「弁護活動に絡む金ではない」として処分を見送っていたが、日本弁護士連合会(日弁連)に判断を覆され、審査をやり直した。弁護士は処分を不服として徹底抗戦の構えだ。

 戒告の議決書によると、弁護士は覚せい剤取締法違反の罪に問われた男性の控訴審で国選弁護を担当。2003年12月、大阪拘置所での接見時、「スポーツ新聞や食べ物などを差し入れてほしい」と頼まれ、後日30万円を受け取った。20万円を購入資金、10万円を手数料とすることで合意し、弁護士は04年6月までに、追加の5万円を含む25万円分の差し入れを手配した。

 一方、男性は公判で無罪を主張したが、04年2月、控訴を棄却され、05年6月になって大阪弁護士会に懲戒請求した。

 日弁連の職務規定は、「国選弁護事件では、被告人らから、名目のいかんを問わず、報酬その他の対価を受領してはならない」としているが、弁護士は「差し入れたのは嗜好(しこう)品。弁護事件とは無関係で手数料は私的な行為の対価」と主張。同弁護士会も06年3月、主張を受け入れ、いったん懲戒処分としないと決定した。

 ところが、男性からの異議を受けた日弁連が07年2月、「差し入れは弁護活動に含まれ、手数料は弁護報酬の意味合いを持つ」と決定を取り消した。これを受け同弁護士会は同年12月、戒告を決めた。戒告は官報などで公表され、信用にかかわる処分。

 弁護士は日弁連に不服申し立て中で、「差し入れには手間がかかり、手数料は妥当」と訴え、「『滞納家賃を払ってきて』などと被告から雑事を頼まれることもある。ボランティアで引き受けるか、断るしか選択肢はないのか」と話す。

以上 読売新聞より引用

控訴審の国選弁護人が、無罪を主張した被告から、控訴棄却判決が出たあとに、懲戒請求されたという事案のようです。
新聞記事では、「差入れとその報酬」のことが出ているだけですが、元来の懲戒請求にはもっといろいろな被告の不満があったのかもしれませんね。被告と国選弁護人との信頼関係を築くのが困難な事案は多いので、この事案もそうだったのかもしれませんね。

接見に行くと、「アパートに行って、滞納家賃を支払ってほしい」とか「下着がないので取ってきてほしい」とか「だれそれにお金を貸しているので、返してもらって、差入れしてほしい」とかさまざまな雑事を頼んでくる人がいます。勾留されている人としたら、頼るべき身内がいないので、接見にきた弁護人に頼むしかないという事情があるんでしょうね

無料で手間もかからずできることならよいかもしれませんが、金が絡むと、弁護士倫理に触れるおそれ出てきます。
国選弁護人としたら、断るしかないようです。

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2008.03.02 Sun
里道 りどう
引用
出典:マイ踏切の背景は「危険なのに作ってくれず、作った」ー2008年03月02日朝日新聞
現場は広島市中心部から約30キロ離れた、山あいの集落。1時間に2~4本程度の列車が走る単線のJR芸備線(広島―備中神代)に沿って農家が点在する。男性宅を含めて多くの家の前には、住民が線路を横切る里道がある。JRが踏切とは認めていない私設の生活道だ。

 すぐ近くに住む地元自治会長の佐々木武紀さん(67)は「もともと里道は何百年も前からあった道。あとから線路が出来て道が分断されてしまった」と説明した。

 芸備線の線路が敷設されたのは1915(大正4)年。住民の祖先ははるか前からこの地に居を構え、開通直後から自分で安全を確認して線路を横切る習慣ができた。

  9年前の夏、買い物帰りに両手に荷物を持ったまま里道を渡った時、線路につまずいて転倒した。「幸い軽傷で済んだが、列車が来ていたら危なかった」。それ以来、付近に踏切を作るようJRや市に何度も要請してきたが難色を示され、昨夏、正式にJRから「踏切は作らない」との文書回答を得た。これが踏切づくりに踏み切った直接のきっかけだった。

 警察での調べが終わり、実家に戻った男性は近所の家を回り、事件で騒がせたことを謝った。近所の主婦(64)は「ここの生活のつらさは住まないとわからない」。里道を渡りやすくしようとした男性の気持ちを住民たちは理解しているようだった。

 線路を横切る里道は全国のローカル線に存在する。里道を踏切に「昇格」させることを求める住民運動も各地で起きているが、JRは「事故防止のために平面で交差する踏切は新設しない」との方針で、認められるケースはほとんどない。

 かといって、JRは生活道として定着している里道をフェンスなどで封鎖する強硬策をとることもできず、最寄りの踏切への迂回を呼び掛ける看板を設置する程度の対策にとどまっている。

 芸備線を抱えるJR西日本広島支社は「危険であり、近くの踏切を利用してほしいが、生活を脅かすことになるので『里道を絶対に渡るな』とまでは言えない」(広報担当)と話す。

以上朝日新聞より引用

里道(りどう)は、明治時代以前に、人々が往来した通路で、明治時代に、旧土地台帳が作成されたときにその付属地図上に、無番地で赤色の長狭線で記入された土地(赤線あかせんという)です。
これについては、民間の所有を許さず、国有財産とされ、国が管理してきましたが、平成17年3月以降は、市町村に譲与されました。
里道(赤線)は、国(市町村)の許可なく、なんびとも、処分できません。

ですから、国鉄が線路を通して、里道を横切っても、その部分の里道がなくなるわけではありません。そこは里道のままです。なんびとも自由に通行できます。国鉄(現JR)が危ないから通行するなという権限はありません。

ところが、線路は線路で、列車運行の安全という見地から、法律で守られていますので、線路に工作を加えることはできません。

里道通行の権利と列車運行の安全とが微妙に対立した事案です

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