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2006.09.30 Sat
守秘義務
引用
出典:相談メール転送は守秘義務違反 弁護士に慰謝料命令ー2006年09月29日朝日新聞
セクハラ被害についてメールで相談した内容を外部に漏らされて精神的苦痛を受けたとして、大阪府内の女性が女性弁護士(63)=静岡県弁護士会=を相手に慰謝料150万円の支払いを求めた訴訟で、大阪地裁が原告の訴えを一部認めて弁護士に20万円の支払いを命じる判決を言い渡していたことが29日、わかった。佐賀義史裁判官は「メールの内容は弁護士が職務上知り得た秘密であり、守秘義務違反にあたる」と判断した。
判決によると、原告は01~02年に大阪の弁護士2人にセクハラ被害の処理を委任し、02年8月には被告となった弁護士にも被害内容を伝えるメールを送信した。その後、この弁護士が原告から相談されたことを大阪の弁護士に伝えたため、原告と大阪の弁護士との関係が悪化して委任関係は解消された。
以上朝日新聞より引用


女性はなぜ弁護士に依頼しているのに、他の弁護士にメールを送ったのでしょうか。
依頼中の弁護士の処理方針に不満不安があったのかもしれませんね。
想像するに、その弁護士はその道の権威だったのかもしれません。

弁護士サイドとしたら、こういうメールが来たらどうするんでしょうか。
メールだけではわからないので、相談に来るようにアドバイスするのでしょうかね。

乗り換えを依頼するとか、セカンドオピニオンを求めるとかしてるわけですから、元来の弁護士にそれを連絡するとかメールを転送するとかの対応はやはりまずいでしょうね。
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2006.09.26 Tue
そのとき赤ん坊が私の手の中に
aren


憲法9条・メッセージ・プロジェクト 発行のブックレットです。
1冊300円 同プロジェクトのHPから購入できます。

ベトナム戦争に従軍したアメリカ海兵隊元隊員アレン・ネルソンの講演をまとめたものです。

戦場で殺し合いをするのは、貧しい庶民同士です

殺した死体の場面と悪臭が悪夢の正体


私の祖父の弟(大叔父)は、第2次世界大戦中、中国戦線で、騎馬部隊で戦い、軍刀で多くの中国人を殺したと自慢していたそうですが、
その話を直接に聞く機会はありませんでした。
ベトナムで人を殺して戦争後遺症になったアレン・ネルソン氏のことばは、平和を考えるうえで迫力があります。

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2006.09.22 Fri
あなたと考える憲法・国民投票法:杉井静子著
sugi


あなたと考える憲法・国民投票法―見つめよう子どもの未来 / 杉井 静子著

杉井静子弁護士の講演をもとにしたブックレットで、
国民投票法案の問題点
憲法9条の改憲を狙う勢力の意図
をコンパクトにまとめています。

杉井静子さんは、1944年9月に中国の青島で生まれたそうです。
父は青島の商業高校の教師で、既に応召されていて
母が1945年1月に4ヶ月だった赤ん坊静子さんを連れて帰国したのだそうです。
そういう戦争体験に裏打ちされた話し口が説得力を増しています。

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2006.09.21 Thu
国歌斉唱義務不存在訴訟の判決
東京地方裁判所は、国歌斉唱義務不存在訴訟につき画期的な判決を出しました。

国歌斉唱義務不存在確認等請求事件の判決要旨

主文
1 原告らが、被告都教委に対し、本件通達に基づく校長の職務命令に基づき原告らが勤務する学校の入学式卒業式等の式典会場において、会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務のないことを確認する。

2 被告都教委は、原告らに対し、本件通達に基づく校長の職務命令に基づき、原告らが勤務する学校の入学式卒業式等の式典会場において、会場の指定された席で国旗に向かって起立しないこと及び国歌を斉唱しないことを理由としていかなる処分もしてはならない。

3 原告らが、被告都教委に対し、本件通達に基づく校長の職務命令に基づき原告らが勤務する学校の入学式卒業式等の式典の国歌斉唱の際に、ピアノ伴奏義務のないことを確認する。

4 被告都教委は、原告らに対し、本件通達に基づく校長の職務命令に基づき、原告らが勤務する学校の入学式卒業式等の式典の国歌斉唱の際に、ピアノ伴奏しないことを理由としていかなる処分もしてはならない。

5 被告都は、原告らに対し、各3万円及びこれに対する平成15年10月23日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え 


理由
入学式卒業式等の国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務、ピアノ伴奏する義務の存否

日の丸君が代と少数者の権利
 日の丸、君が代は明治時代以降、第2次世界大戦終了までの間、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきたことがあるのは否定し難い歴史的事実で、国旗国歌法により、国旗国歌と規定された現在においても、なお国民の間で、宗教的政治的にみて価値中立的なものと認められるまでには至っていない。

 このため、公立学校の入学式、卒業式で国旗掲揚、国歌斉唱に反対する者も少なからずおり、こうした者の思想良心の自由も公共の福祉に反しない限り、憲法上保護に値する権利というべきである。

 学習指導要領と教育基本法10条1項
 学習指導要領は、教育の自主性尊重、教育における機会均等の確保と全国的な一定水準の維持という目的のために、必要かつ合理的と認められる大綱的な基準を定めるもので、教職員に対し一方的な理論や理念を生徒に教え込むことを強制しないとの解釈の下で認められるものである。

 学習指導要領の法的効力は、その内容が教育の自主性尊重、教育における機会均等の確保と全国的な一定水準の維持という目的のために必要かつ合理的と認められる大綱的な基準に止めるべきものと解するのが相当である。

学習指導要領の個別条項が、大綱的基準を逸脱し、教職員に対し一方的な理論や理念を生徒に教え込むことを強制するような場合には教育基本法10条1項所定の不当な支配に該当するものとして、法規としての性質を否定するのが相当である。

 そうだとすると、学習指導要領の国旗国歌条項条項がこのような解釈を超えて、教職員に対し、国歌を斉唱しピアノ伴奏をする義務を負わせていると解することは困難である。

 都教委通達と教育基本法10条1項
 都教委教育長が発する通達ない職務命令も、教育基本法10条の趣旨から大綱的な基準に止めるべきものと解するのが相当である。

本件通達は国旗掲揚、国歌斉唱の具体的方法について詳細に指示し、各学校の裁量を認める余地はほとんどないほどの一義的な内容で、都立学校の各校長の裁量を許さず、これを強制するものと評価できる。原告ら教職員に対しても、各校長の職務命令を介し、国歌斉唱やピアノ伴奏を強制したものと評価できる。
 そうすると、通達やこれに関する都教育委員会の指導は、大綱的な基準を逸脱している。
 本件通達や都教委の指導は、教育基本法10条1項所定の不当な支配に該当し違法と解するのが相当である

校長の職務命令の違憲性
 職務命令に重大かつ明白な瑕疵がある場合には、これに従う義務がない。

原告ら教職員は国旗国歌法や都教育長通達などで、国歌を斉唱しピアノ伴奏をするまでの義務はなく、思想良心の自由に基づき、これらの行為を拒否する自由を有していると解するのが相当である。

 原告らが拒否しても、格別式典の進行を妨害することはない上、生徒らに対して国歌斉唱の拒否をことさらあおる恐れがあるとまではいえず、国旗国歌条項の趣旨である入学式、卒業式等の式典における国旗、国歌に対する正しい認識を持たせ、これを尊重する態度を育てるとの教育目標を阻害する恐れもない。

 音楽科担当教員は、授業でピアノ伴奏する義務は負うものの、式典での国歌斉唱の伴奏は授業と異なり、必ずしもピアノ伴奏で行わなければならないものではない。また、伴奏を拒否しても他の代替手段も可能と考えられる。

 そしてこれを拒否した場合に、異なる主義、主張を持つ者に対しある種の不快感を与えることがあるとしても、憲法は相反する主張を持つ者に対しても相互の理解を求めており、このような不快感により、原告らの基本的人権を制約することは相当とは思われない。

 従って、校長が原告ら教職員に対し、国歌斉唱の際に国旗に向かって起立し、国歌を斉唱せよとの職務命令を発することには、重大かつ明白な瑕疵がある。

 結論
 国旗国歌法が施行されている現行法下において、生徒に日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てるとともに、国旗・国歌に対する正しい認識を持たせ、それらを尊重する態度を育てるのは重要なことである。
 入学式卒業式の意義役割を考えるとき、国旗を掲げ国歌を斉唱することは有意義なものである。。

 しかし、国旗、国歌に対し、宗教上の信仰に準じた世界観や主義、主張から、国旗掲揚や国歌斉唱に反対する教職員、国歌のピアノ伴奏をしたくない教職員がいることもまた現実である。

 このような場合に、懲戒処分をしてまで起立させ、斉唱させることは、いわば少数者の思想良心の自由を侵害し、行き過ぎた措置である。

 国旗、国歌は、国民に強制するのではなく、自然のうちに定着させるというのが国旗国歌法の制度趣旨であり、学習指導要領の理念と考えられ、本件通達及び職務命令は違法である。

教育・学校    Comment(3)   TrackBack(3)   Top↑

2006.09.15 Fri
大阪弁護士会館
kaikan

大阪弁護士会が、新築していた新弁護士会館が完成し、業務を始めています。
新会館のパンフも今日配布されました。
まるで絵葉書をみるような美しさです。

バブル崩壊後にも、こんなりっぱな新会館をお建てになって
大阪の弁護士さんって儲かってまんねんなぁ
という声が聞こえてきそうな気もします。

裁判所周辺の四季    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2006.09.05 Tue
母子関係・父子関係
引用
出典:米で代理出産、出生届…「不受理」最高裁確定ー2005年11月25日 読売新聞
米国での代理出産で生まれた双子の出生届が、日本で受理されなかったのは不当だとして、関西地方在住の日本人夫婦が不受理処分の取り消しを求めた家事審判で、最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は24日、夫婦側の請求を退けた大阪高裁決定を支持し、特別抗告を棄却する決定をした。
以上読売新聞より引用


引用
出典:死後生殖、父子と認めずー2006年9月5日 読売新聞
凍結保存していた亡夫の精子で体外受精し、男児(5)を出産した西日本の40歳代の女性とその男児が、亡夫の子としての認知を国に求めた訴訟の上告審判決が4日、最高裁第2小法廷であった。
 中川了滋裁判長は、「現在の民法は死後生殖を想定しておらず、親子関係を認めるか否か、認めるとした場合の要件や効果を定める立法がない以上、法律上の親子関係は認められない」と述べ、認知を認めた2審・高松高裁判決を破棄、男児側の請求を棄却した。法的な父子関係は認められないことが確定した。
以上読売新聞より引用


「母」とはなんでしょうか
「母」とは「分娩した人間」と考えられてきました。
その考えでは代理母は分娩しているのですから「母」になります。
血統という観点からいうと卵子提供者が母になります。
しかし、もっとも重要なことは母として育てる関係にあるのかどうかです。
その観点からいえば、子宮を貸しただけで育てる意思も、育てる関係性もない代理母は「母」にはなりえません。

ただし、それを法律関係に反映させるには、出生届ではなく、代理母と育てる母との間で特別養子縁組をするのが適当でしょう。

父とは何かはさらに厄介です。
父は分娩をしないのですから子との自然的繋がりがないわけです。

単に精子を提供しただけで育てる意思のない者を父とすることはできないでしょう。
ここでも育てる意思と関係性で決めるしかないでしょう。
その意味では、受胎以前に死亡した者が父になることは不可能でしょう。父は存在しないというほかないでしょう。

家族    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2006.09.01 Fri
親族相盗例
刑法244条は、
配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条(窃盗)の罪、第235条の2(不動産侵奪)の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
と定めています。

法は家庭に入らずという思想に基づくといわれています。

引用
出典:内縁の妻からの窃盗、刑の免除なし 最高裁が初判断ー2006年09月01日朝日新聞
配偶者から物を盗んでも刑が免除される刑法の規定は、内縁の妻の場合には適用されない、との初判断を最高裁第二小法廷(津野修裁判長)が示した。この考えに基づき、同小法廷は同居中の女性の現金を盗んだとして窃盗罪に問われ、刑の免除を主張した無職の男(65)の上告を棄却する決定をした。決定は8月30日付で、懲役2年6カ月とした一、二審判決が確定する。
以上朝日新聞より引用


文言上は、配偶者とは戸籍上婚姻の届出をしている者ですから、
内縁関係には適用されないのは当然ですが、
そこがはっきりしたという判例ですね。

逆に、戸籍上婚姻の届出があっても、結婚詐欺にあたる場合には適用がないという裁判例もあります。

家族    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑