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2007.12.17 Mon
猟銃所持の許可と警察の責任
猟銃所持の許可を受けた者が殺傷事件を引き起こした場合に、警察が所持の許可を与えたことが適法であったか否か問われることになる。

過去の裁判例を見ると、
名古屋地方裁判所昭和40年(ワ)第1463号損害賠償請求事件昭和44年10月31日判決
大阪地方裁判所昭和51年(ワ)第579号損害賠償請求事件昭和55年3月24日判決
宇都宮地方裁判所平成16年(ワ)第179号損害賠償請求事件平成19年5月24日判決
がある。

名古屋地裁の事例は、
現行法でいう「精神障害若しくは発作による意識障害をもたらしその他銃砲若しくは刀剣類の適正な取扱いに支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものにかかつている者又は介護保険法 第八条第十六項 に規定する認知症である者 」に該当するのに、これを見落として許可したのが違法であると争われた。
判決は、申請者が当時「精神障害」であったと推定されるが、当時は診断書の添付が義務付けられておらず、面接の際に、応接態度、服装、言動等からなんら異なる点を発見しなかったので、通常なすべき調査をつくしたとして、過失はないと判示し、適法とした。

大阪地裁の事例は、
現行法でいう「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」に該当するのに、これを見落として許可したのが違法であると争われた。
判決は、申請者に少年院送致の前歴があるが、少年時代の事件が軽微である、6年半経っている、少年法の精神もあるとして、不許可事由に該当しないと判示し、適法とした。

宇都宮地裁の事例は、
こうしたなかで違法と判示したもので、貴重な事例である。
近隣交番の警察官による身元調査票に「許可については熟慮を要する」との記載があったのに、十分な調査を怠ったとして、違法と判示し、損害賠償を認容した。

佐世保事件については、具体的事実はまだわからないが、調査が十分であったか問われるのではなかろうか。
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2006.12.10 Sun
遺骨・遺影
引用
出典:南幌中3交通死 「法廷に遺骨はダメ」 遺族申し入れに札幌高裁ー2006年12月11日北海道新聞
2003年9月、空知管内南幌町の中学三年生白倉美紗さん=当時(14)=がトラックにはねられ死亡した事故の刑事裁判で、二審の札幌高裁が、法廷への美紗さんの遺骨の持ち込みを不許可とすることを遺族に伝えていたことが11日までに分かった。
 一審の札幌地裁岩見沢支部と札幌地裁での民事裁判では認められていたため、遺族は4日、不許可の理由を求める上申書を同高裁に提出した。高裁は「回答時期は未定」としている。
以上北海道新聞より引用


遺影も遺骨も法廷への持込は、法廷秩序維持の権限の範囲内のことなので、当該裁判官の裁量に委ねられています。
不許可は被告人への精神的圧迫になる可能性があるということしか考えられません。
しかし、遺影や遺骨といっても、大きさや見え方について、さまざまでしょうから、精神的圧迫を感じさせない方法も工夫できるのではないでしょうか。
事前の打ち合わせがあったのか不明ですが、単なる不許可の通告だけでは不親切ではないでしょうか。

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2006.03.20 Mon
ペットロス  ペット保険
ペットを失った悲しみをペットロスというそうです。

ペットを奪われた(死に追いやられた)場合の精神的慰謝料とはどのくらいなんでしょうか。

慰謝料が請求できるのは、よく 人損 といわれる人間の生命・身体・名誉などに対する侵害に対してです。

これに対して、 物損 といわれる、人間以外の物体に対する侵害については、その物体の再調達価格が損害になり、それさえ、賠償すれば足りると考えられています。

どれほどの愛車(愛する自動車)であれ、再調達価格を弁償すれば、それで、精神的部分も満足すべきだという考えです。

動物であっても、人間以外の物体である点は、愛車と理屈は同じでしょうが、
再調達しても、違う生命体であるいう点が大きく異なります。

ここから、愛犬や愛猫について、慰謝料が発生してくるという考えが出てきます。

引用
出典:飼い主の精神的被害初認定 愛犬かみ殺し 名古屋地裁加害犬側に67万支払い命令ー2006年3月18日 読売新聞

愛犬を近所の飼い犬にかみ殺された名古屋市天白区の夫婦らが、かみ殺した犬の飼い主に慰謝料など181万円の支払いを求めた訴訟の判決が名古屋地裁(富田守勝裁判官)であり、犬を殺されたことへの賠償としては過去最高額となる約67万円の支払いを命じていたことが17日、わかった。
以上読売新聞より引用


原告3人の精神的慰謝料が50万円
だそうですが、

被害犬のミニチュア・ダックス
自体は10万円で再調達可能ではないかしらと思いますので、

50万円が認めれたのは先例としては、大きな意味をもつと思います。

では、加害犬側はどうしたらいいんでしょうか?

犬が、他の犬に損害を与えた場合、自動車保険みたいに、損害保険でカバーできないんでしょうか?

引用
出典:三井物産・アリアンツ、ペット保険販売へ 金融庁初認可ー2006年03月17日朝日新聞

三井物産とアリアンツ火災海上保険は17日、犬猫の病気、けがの治療費用や第三者に危害を加えた際の賠償責任を補償する「ペット保険」の販売を4月1日から始めると発表した
以上朝日新聞より引用


損害賠償保険が発売されるそうですが、これには示談交渉も付いているんでしょうか?
ペットを巡る争いは増えていくでしょうね。

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2006.02.23 Thu
侮辱
侮辱は、民法上は不法行為に当たりますし
刑法上は侮辱罪に該当します。

引用
出典:市議に対して「アホ」、宝塚市長に30万円賠償命令ー2006年2月22日朝日新聞

パチンコ店進出をめぐる汚職事件で逮捕された兵庫県宝塚市の渡部完市長(47)=3月6日付で失職=から「アホ」などと暴言を浴びせられて精神的な苦痛を受けたとして、同市の草野義雄市議(53)が市長に慰謝料30万円の支払いを求めた訴訟の判決が22日、神戸地裁伊丹支部であった。村川浩史裁判官は「名誉感情を害する侮辱発言だ」として原告の主張を全面的に認め、請求通り30万円の支払いを命じた。
以上朝日新聞より引用


侮辱を巡る裁判が一般新聞に掲載されることは珍しいですね。

判決の認定によると
「このあほ、ぼけが」
「ごみ、虫けら」
と言ったそうで
侮辱ですね。

30万円を請求して、30万円が認容されたので、
それが相場だとはいいにくいかもしれませんが、
高いでしょうか安いでしょうか。

日本の裁判については、名誉毀損の損害認容額が安すぎるという批判があり最近の裁判例ではかなりあがってきました。

侮辱と名誉毀損とは違いますが、
30万円は安いような気がします。

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2006.02.08 Wed
時効援用認めず 被爆者手当訴訟
長期間権利を行使しないままだと、“権利の上に眠るもの”とされ
時効で権利が消滅してしまいます。
義務者側は、時効援用すると言って消滅したことを主張できます。

しかし、時効援用できない場合もあります。

引用
出典:在ブラジル被爆者手当訴訟、原告が逆転勝訴 広島高裁ー2006年2月8日朝日新聞

時効を理由に被爆者援護法に基づく健康管理手当を支給しないのは不当として、ブラジルに住む被爆者3人が広島県に計約290万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決が8日、広島高裁であった。草野芳郎裁判長は「支給を認めてこなかった国の通達は被爆者援護法などの法律の解釈を誤ったものであり、時効を適用するのは著しく正義に反する」として、原告の訴えを退けた一審・広島地裁判決を取り消し、請求額全額の支払いを県に命じた。
以上朝日新聞より引用


消滅時効は、権利の上に眠るものには裁判制度は手助けしないという考え方に基づいています。

海外の被爆者は、眠っていたんじゃなしに、
本当は権利があるのに、間違った法律解釈で拒否され、
権利行使できにくい状態に置かれていたのです。

それをよいことに、消滅してますよ!と広島県が主張するのは
逆に正義に反するというわけです。

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