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2016.08.16 Tue
寺院境内墓地において、寺院の定める方式に従い墓地を使用する旨の合意があっても、その拘束力は墓地使用権を承継した者には及ばないとし、承継者による無典礼の方式による遺骨の埋蔵を拒絶することはできないとされた事例
 寺院境内墓地において、寺院の定める方式に従い墓地を使用する旨の合意があっても、その拘束力は墓地使用権を承継した者には及ばないとし、承継者による無典礼の方式による遺骨の埋蔵を拒絶することはできないとされた事例

宇都宮地方裁判所平成24年2月15日判決
判例タイムズ1369号208頁

主文
 被告は、原告に対し、別紙物件目録記載の墓地内の別紙図面の墓地区画への無典礼の方式による別紙遺骨目録記載の遺骨の埋蔵を妨害してはならない。

理由
 本件墓地は寺院墓地であり、その墓のほとんどは浄土真宗本願寺派の典礼に従い使用されてきたことが認められ、原告の祖先が被告との間で本件墓地使用権の設定を合意するに当たっても、被告の定める典礼の方式に従い墓地を使用するとの黙示の合意が成立したものと認めるのが相当である。
 しかしながら、本件墓地使用権を承継した者が異なる宗派となった場合にまで上記の黙示の合意の拘束力が及ぶかどうかについて、これを定めた墓地使用規則はなく、また、その場合にも被告の典礼の方式に従うとの慣行があったことを認めることもできない。以前は、いくつかの異宗派の者が、その宗派の定める典礼の方式により本件墓地内に墓石を設置し、遺骨を埋蔵していても、被告が寺として異議を述べた事情は認められない。そして、原告も、浄土真宗本願寺派とは異なる題目の墓石を設置し、法名の授与を受けずに遺骨を埋蔵していたものである。
 以上によれば、上記の黙示の合意の解釈として、本件墓地使用権を承継した者が異なる宗派となった場合に、その者に対し被告の属する浄土真宗本願寺派の典礼の方式に従うことを求める効力があるとするのは困難であり、その者が浄土真宗本願寺派とは異なる宗派の典礼の方式を行うことを被告が拒絶できるにすぎないと解するのが相当である。


 寺院境内墓地においては、墓地使用はその寺院の檀信徒(檀家と信徒)であることが前提となっていることが通常である。墓地使用権者が後に改宗した場合、墓地使用権を失うのかという問題が発生する。
 
津地方裁判所昭和38年6月21日判決(下級裁判所民事裁判例集14巻6号1183頁)は、
「従来から寺院墓地に先祖の墳墓を所有するものからの埋葬蔵の依頼に対しては寺院墓地管理者は、その者が改宗離檀したことを理由としては原則としてこれを拒むことができない。」
 としつつ
 典礼の方式については、
「埋葬蔵が宗教的典礼を伴うことにかんがみ、右埋葬蔵に際しては寺院墓地管理者は自派の典礼を施行する権利を有し、その権利を差し止める権限を依頼者は有しない。
 従つて(1)異宗の典礼の施行を条件とする依頼(2)無典礼で埋葬蔵を行うことを条件とする依頼(異宗の典礼は施行しないが、当該寺院の典礼の施行も容認しない趣旨の依頼)
 このような依頼に対しては、寺院墓地管理者は自派の典礼施行の権利が害されるということを理由にしてこれを拒むことができる。」
としている。

  宇都宮地方裁判所平成24年2月15日判決は、承継者が改宗した場合には無典礼の方式による遺骨の埋蔵を拒絶することはできないとし、津地方裁判所昭和38年6月21日判決とは異なる判断をしたことになろう
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2014.11.23 Sun
父が長兄にすべて相続させると遺言書を書いていた  どうしたら
「遺留分権」といって、遺言によっても侵されない権利が法律であります
この権利を持っている相続人であれば、「遺留分減殺請求」という意思表示を行い、権利を回復することができます
注意しなければならないのは、この請求権は、「1年以内」に行使しなければならないとされていることです



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2014.11.07 Fri
亡夫に借金があることが分かった場合どうしたらよいでしょうか。
死亡した夫に借金がある場合、死亡したことを知ってから3か月以内に、相続放棄という手続きをとれば、死亡した夫の借金との縁を切ることができます。
死亡したことを知ってから3か月が経過してしまった後に、夫に借金があったことがわかったという場合も、借金を知ってから3か月以内なら、相続放棄が間にあう可能性もあります。
ですから、この場合も、できるだけ早く弁護士に相談することが大切です。

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2012.01.20 Fri
適用違憲
適用違憲とは、法令自体は一般的にみて合憲であるが、その法令を当該事件の当該当事者に適用する限度において違憲とするものです。

名古屋高裁平成23年(ネ)第866号遺留分減殺請求控訴事件平成23年12月21日判決が
判例検索システムに掲載されています

 父である被相続人の非嫡出子として出生した控訴人が,遺産のすべてを控訴人出生後に婚姻した妻に遺贈したことについて,遺留分減殺請求をし,その遺留分について非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1と定める民法900条4号ただし書及びこれを準用する同法1044条は憲法14条1項に違反して無効であるから,嫡出子と同じ割合の遺留分を有すると主張して,上記妻の相続人である被控訴人らに対し,遺留分減殺請求権に基づく土地所有権の一部移転登記手続等を求めた訴訟において,被相続人が1度も婚姻したことがない状態でその非嫡出子として出生した子について,被相続人がその後婚姻した者との間に出生した嫡出子との関係で民法900条4号ただし書を準用する民法1044条を適用することは,その限度で憲法14条1項に違反して無効であるとして,嫡出子と同じ割合による遺留分減殺請求権に基づく請求を認めた事案

裁判所には、法令自体が違憲という認識があるのでしょうが、
そうした場合に、最高裁まで争われることになるでしょうから
手堅いところで、本件の個別性に着目して、適用違憲としたのでしょうかね

非嫡出子に対する差別条項については、法令違憲はもちろん、適用違憲も主張していくというのが
実務になっていくでしょう

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2010.03.04 Thu
公正証書遺言
引用
出典:「公正証書遺言」の効力を否定 宇都宮地裁判決ー2010年3月4日産経新聞
死亡した父親の遺言書による土地所有権の移転は無効だとして、宇都宮市の男性(50)が土地の移転登記抹消を求めた訴訟で、宇都宮地裁(竹内民生裁判官)が、公証人が作成した遺言書には効力がないとして、原告の訴えを認める判決を出したことが4日、分かった。公証人が作成した公正証書の効力が否定される判決は、全国的にも珍しいという。
 判決によると、遺言書は末期がんで父親が亡くなる前日の平成20年10月22日に作成され、父親の知人女性に土地や建物を贈与するという内容となっていた。
 竹内裁判官は「父親は末期がんで意識レベルが低下しており、公証人の問いかけに対し、声を出してうなずくのみだった」と指摘し、民法で定められた遺言の条件となる「口授」を満たしていないと判断、遺言を無効とした。


遺言は、その効力が問題となる段階では、ご本人は死亡してしまっているので、問題が起こらないように、要件がきびしく定められています。公証人が作成する公正証書遺言はもっとも要件がきびしいので、後日、その効力が覆ることは稀です。
末期がんで死亡前日に知人女性に不動産を贈与するという内容からみて、ほんとうなのかどうかいう疑いが生じるケースなのでしょうね。
効力が否定されるときは、「口授」がないということがほとんどです。「口授」は、遺言する人が、遺言内容を公証人に対し、口頭で、伝えることが必要です。
遺言する人が、その内容を理解し、自分の口で、伝えることができないようなら、遺言する能力がない状態になっていたということになります。
問題になるような内容ならもっと早くに遺言しておけばよかったということでしょうか。

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