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「労働 」 の記事一覧
2016.10.15 Sat
シルバー人材センターと会員の関係は雇用契約ではなく請負契約であるが、注文者が請負人を直接間接に指揮監督して工事を施工させているような場合は注文者は使用者責任を免れないとして、会員の不法行為につきシルバー人材センターの使用者責任を認めた事例
 シルバー人材センターと会員の関係は雇用契約ではなく請負契約であるが、注文者が請負人を直接間接に指揮監督して工事を施工させているような場合は注文者は使用者責任を免れないとして、会員の不法行為につきシルバー人材センターの使用者責任を認めた事例

大阪地方裁判所平成14年8月30日判決
労働判例837号29頁

 請負人は、その判断と責任において仕事を遂行するのが原則であるから、注文者との間には使用関係はないのが通常である(民法716条本文参照)が、注文者が請負人を直接間接に指揮監督して工事を施工させているような場合には、注文者と請負人の間には実質的な使用関係があるものとして、請負人の不法行為について注文者は使用者責任を免れないと解するのが相当である。

 被告は、各会員の作業それ自体について個々具体的な指揮監督関係があったかどうかはともかくとして、会員の提供する労務の品質の保持を図るため、班長に対しては請負人である天王寺動物園清掃班班員の作業時間作業内容などについて連絡調整や作業指導状況報告をさせ、これをもって管理・監督を行わせていたのであるから、班長が行うべきものとされた前記業務との関係においては、被告との間に実質的な指揮監督関係があったと評価せざるを得ない。


シルバー人材センターでは全国で80万人の人(会員)が働いています
センターと会員とは請負または委任の関係とされているので、事故が発生した場合に問題が生じます。契約の形式ではなく、実質に即した法理が必要となります。
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2016.03.06 Sun
大阪市の外郭団体が、従業員に対し、大阪市人事委員会報告に準拠して賃金減額を行ったことが違法であるとし、差額賃金の支払を命じた事例
大阪市の外郭団体が、従業員に対し、大阪市人事委員会報告に準拠して賃金減額を行ったことが違法であるとし、差額賃金の支払を命じた事例

大阪高等裁判所平成18年12月22日判決 判例集未登載 河村学弁護士による記事 

大阪運輸振興株式会社は、大阪市交通局が実質100%出資する大阪市の外郭団体である
業務としては、大阪市営地下鉄の車庫業務、大阪市営バスの運行受託、案内所業務、乗車券販売業務などを行っている
大阪市の退職者の雇用確保等のために市が主導して設立した株式会社であり、大阪市が実質的な支配株主で、かつ、会社取締役や役職者は派遣職員とOBで占められている。同社は、大阪市の監理団体とされ、経営に関し大阪市が指導権限を有し、その内容については市議会への報告が義務づけられている。

 大阪運輸振興の従業員の給料は、経歴加算された初任給基準に、年2回一定額の昇給がなされる旨の規定があるのみで、賃金減額の方法や新規採用者以外の賃金が初任給基準により算定されるという規定はなかった。同社従業員のベースアップについては、大阪市職員の給与についての人事委員会報告の支給率に準拠、連動して増額改定が行われてきた。

 就業規則の下位規範である初任給基準を大阪市職員の給与についての人事委員会報告の支給率に準拠、連動して改定することにより一方的に減額できるかというのが争点となった

 大阪地方裁判所平成18年3月8日判決は、減額が合法であると判決した。
 まず、在籍従業員の賃金改定については、従前の賃金額に一定率を乗じることによって画一的に改定されてきたこと、及び、就業規則の下位規範である初任給基準を改定することにより、その改定された支給率の内容を在籍従業員の賃金にも反映させるという労使慣行が存在したと認定した。
 その上で、就業規則の不利益変更の要件を充たすか否かの検討をし、財政状況が悪化していること(同社の収益のほとんど全てが大阪市からの受託収入であるから、大阪市が委託費用を減額すれば必然的に同社の収支は悪化する)、原告らが被る不利益は格別大きいものではないこと、多数派組合が本件賃金改定に同意していることなどから、不利益変更の合理性があるとした。

 これに対し、大阪高等裁判所平成18年12月22日判決は、減額を違法と判決した。
 判決は、初任給基準改定により在籍従業員の賃金が増減するという規範が確立していたとはいえないとした認定した。
 過去の労使交渉においても就業規則の改定という形で問題が提起されたことはなかったこと、
 在籍従業員は過去に賃金改定について異議を述べたことはなかったが、それは過去に賃金が減額されたことがなく、初任給基準の記載が従業員にとって緊要な問題ではなかったからであること(賃金改定の妥結の結果を初任給基準に反映させていたに過ぎないこと)、
 初任給基準が在籍従業員の賃金増減の基礎額になるとか、その改定が賃金の増減に連動するなどという趣旨の規範内容について、特段の説明・周知された事実がないこと等の事実があることからすれば、「就業規則及びこれと一体をなすものとしての給与規程・初任給基準は、『成熟した労使慣行』に基づいて上記のような規範内容を含むものであるということはできず、本件給料改定は、就業規則及びこれと一体をなす下位規範の内容を変更したものと評価することはできないというべきである」とした。
その結果、本件賃金改定は、「判例上許される就業規則の不利益変更という方法によらずに、従業員に不利益に変更したものであり、法律上の正当な根拠に基づくものということはできず、無効である」と結論づけた

結局は、人事委員会報告の支給率に準拠、連動するという減額方式が、純粋の民間会社と同様に、「就業規則の不利益変更」という形を履践しているのか、かつ許される不利益変更の要件を満たしているかという判断になろう。


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2014.11.20 Thu
未払いの給料があるのに、会社が破産したら
破産手続きの中で、会社の破産管財人が労働者と賃金を調べて、債権届を出すよう促します。
破産会社にある程度の財産が残っている場合は、優先的に配当を受けることができます。
破産した会社に財産がないために未払賃金の配当を受けられない場合には、「未払賃金立替払制度」を利用します。
この場合、賃金台帳などの資料が重要になります。

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2012.04.17 Tue
「バス運転手の障害に配慮を」仮処分決定
引用
出典:神戸地裁が障害配慮の勤務シフト命じる-2012年4月16日日刊スポーツ
阪神バス(兵庫県尼崎市)に勤務する障害のある男性運転手(43)が、障害に配慮した勤務シフトを打ち切らないよう仮処分申請し、神戸地裁尼崎支部(揖斐潔裁判長)が運転手の申し立てを認める決定をしていたことが16日、代理人弁護士への取材で分かった。決定は9日付。

 決定書は、男性の勤務を正午以降とすること、前日の勤務と翌日の勤務を14時間空けることなどを命じている。

 男性は1997年に受けた手術の後遺症で自由に排せつができない障害がある。午前を強制的な排せつの時間に充てるため、午後遅い時間からの勤務シフトに固定することを認められていたが、2011年1月から配慮がなくなり、男性は欠勤が相次いだ。

 運転手はシフト継続の仮処分を同支部に申請、昨年8月の暫定的和解でシフトの配慮が認められたが、ことし3月末までの期限付きだったため、永続的な配慮を求め昨年8月に提訴、ことし2月に仮処分も申請した。

以上 日刊スポーツより

障碍者雇用において、その障碍に応じた配慮することにより、他の労働者と同様の労働を提供できるのならば、雇用主はその配慮をすべきである。
バスの運転手において、中核となる労務は運転それ自体であるから、シフトを変更するという配慮で、同様の労務を提供できるのであれば、雇用主は、障碍に応じたシフト変更をすべきであろう。

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2011.06.01 Wed
震災と労働相談 Q&A
日本労働弁護団は、
東北関東大震災と労働問題Q&Aを
HPで掲載しています

東日本大震災と労働問題Q&A(第2版)

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